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Webサイトを見ているとき、画面の端っこでチカチカ動くバナー広告を「無意識に」読み飛ばしていた……なんて経験はありませんか?

「広告を出す側」になると、つい「もっと目立つように!」「もっとプロっぽく綺麗なデザインで!」と力を入れてしまいます。しかし、人間の脳の仕組みから考えると、その「綺麗すぎるデザイン」が思わぬ落とし穴になることがあるのです。

これが、認知心理学の世界で「バナーブラインドネス(広告の無視)」と呼ばれる現象です。

脳は「見たいもの」以外にピントを合わせない

人間の脳は非常に高性能ですが、同時に「超・省エネ主義」でもあります。

例えば、高性能なカメラのファインダーを覗いている時を想像してみてください。狙った被写体にピントを合わせると、周囲の背景は自然とボヤけて意識から外れますよね。Webサイトを見ている時の脳も、実はこれと同じことをしています。

「この記事を読みたい」「この商品を探したい」という明確な目的がある時、脳は過去の経験から「こういう形や場所にあるものは、自分に関係のない広告だ」と瞬時に判断し、視界の処理から自動的に外してしまうのです。

UX(ユーザー体験)の世界的権威であるニールセン・ノーマン・グループが行った視線計測の研究でも、「ユーザーはページのテキストは熱心に読むのに、いかにも広告らしいバナーには『視線すら向けていない』」という衝撃的なデータが発表されています。

「私、広告です!」と叫ぶデザインのジレンマ

現代は便利なデザインツールが普及し、誰でも簡単に美しいバナーが作れる時代です。しかし、皮肉なことに「プロが作ったような洗練されたグラフィック」や「派手なボタン」は、ユーザーの脳に対して「私は広告ですよ!」というサインを強烈に送ってしまい、結果としてスルーされやすくなるという矛盾を抱えています。

景色に溶け込むという、新しいアプローチ

では、どうすればユーザーにメッセージを届けることができるのでしょうか?

最近のSNSなどでは、プロが作り込んだ美しい画像よりも、スマートフォンで日常を切り取ったような「普通の写真」や、「文字だけのシンプルな投稿」のほうが、圧倒的にクリックされるケースが増えています。これは、広告としてのギラギラ感を消し、プラットフォームの「日常の景色」に自然に溶け込んでいるからです。

「いかに綺麗に目立たせるか」から、「いかに広告っぽさを消して、ユーザーの視界に自然にお邪魔するか」。

もしかすると、これからのWeb集客を成功させるカギは、そんな「飾らない工夫」のなかにあるのかもしれませんね。

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